今日は久しぶりの休日。天気に恵まれたのですが、先日より体調があまりすぐれないので、靴や背広、電気剃刀などの手入れに勤しみました。高原の別荘にてモーツァルトを聴きながら紅茶を味わうのもいいですが、マンションのベランダで愛用品を手入れするのもなかなかリフレッシュできます。(もちろん別荘は空想ですよ。)
前にも何度か述べましたが、小生は、靴と紳士服に多少関心があります。それらを身に纏い、自宅から外に出て仕事に赴き、日々の糧を得るわけですから、決しておろそかにできないと考えるからです。
なかでも靴は、外出時に足を保護するだけでなく、玄関先で紐を締めるときに心もぎゅっと締まる気がして、メンタル面でも仕事の支えになってくれます。(他方、ネクタイは、なんだか首をぎりぎり絞められるようで、じつはあまり好きではありません。)
靴の世界はとても奥深く、なかには紳士靴マニアとよばれる人々もおられるようですが、小生の場合、あくまで仕事のための「いでたち」との位置づけですので、工芸品的な価値を求めることはしません。あまり高価でなく、しかし素材とつくりのしっかりしたひも付きの革靴、それも流行に左右されないごくクラッシックなデザインのものを数足、手入れをしながら履きまわしています。
小生の手入れ法は、まずブラシとクリーナーで汚れを落としてから、クリームをさっと塗り、すこし時間を置いて、シュークロスでよく伸ばす。あとは日陰干しをして、木製のシューキーパーをはめて完了です。手入れの頻度は、だいたい月に一回ほどです。
いまの靴は購入して3年以上たちますが、シューレース(靴紐)を交換したほかは、とくに痛む様子もなく、まだまだ愛用できそうです。むしろ、革がほどよく柔らかくなって、自分の足によくフィットするので、新しい靴を買う気がしません。靴に足を入れるときに、シポッと空気が抜ける音がするのですが、これは靴屋さんに言わせると、「ベストフィットしたときの福音」だそうです。
ところで、紳士靴に関心を持つようになって長らく疑問なのは、市販されている靴用クリームの多くに、ロウ成分(ワックス)が含まれていることです。小生は前からそれが嫌で、わざわざ伊勢丹まで赴いて、ロウの入っていないM.モブレイ社のデリケートクリームを買いにいきます。
いくら鞣(なめ)してあるとはいえ、ロウで表面をガチガチに固めるのは、天然素材である革にとってよくないだろう、と思うからです。厚化粧すると皮膚がだめになるのと同じ理屈です。
それに第一、エナメル靴のようにピカピカ光るのは、あまり上品とは思えません。紳士靴には重々しさが肝要で、光らせるならつま先を少しだけ、というのが欧米のセオリーだそうです。(軽い茶系のイタリア靴は違うかもしれませんが、これはあくまでカジュアル用です。)
もちろん小生は革の専門家ではありませんし、鏡面仕上げなどの加工がしてあるとロウなど関係ないなどと言われるかもしれませんが、靴にせよ鞄にせよ、革製品は「皮膚呼吸」を大事にする(よごれをおとし、水と脂分をほんのすこし補給する)、というやり方が小生の手入れの基本です。それで大過なく済んでいます。
靴や鞄、あるいは家具などは、安物を短期で使い潰すより、すこし良い物を長く愛用する方が、結局は節約になりますし、人生に潤いももたらします。ただ、メンテナンスについては、いろいろ工夫する余地があり、それ自体が一種の気分転換になります。
もっとも、本質的にものぐさな小生にとっては、あまり物が増えると手入れが面倒になることも、無駄な浪費を防ぐ一助にもなっているようです。物を手入れして愛用するという習慣は、いろんな意味で家庭経済に貢献するのかもしれませんね。
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